電脳六義園通信所管理人 石原雅彦の日日抄


電脳六義園通信所管理人の石原雅彦が毎日飽きもせずに書き続けている日日抄「僕の細道」を、馬鹿なことを書いているなあと半ば呆れながら、自戒の念も込めつつ加筆訂正し整理したものです

2001年07月29日
ギンダベラ

「ギンダベラ」という魚をご存知だろうか? 静岡県清水市の人たちはこう呼ぶのだが、正式名は「ヒイラギ」。広辞苑第五版に以下のような記述がある。

スズキ目の海魚。全長約一五センチメートル。体は楕円形で側扁する。全身銀白青色で、背に黒色の縞模様があり、背や腹のひれにヒイラギの葉のようなとげがある。地方により食用。日本では中部以南の内湾にすむ。ギチ。ネコゴロシ。

インターネットで検索すると駿河湾に面する地域では「ギンダベラ」と呼ぶと書かれているページがあるが、これはちょっと違うようで、清水市以西、用宗や焼津あたりでは「ジンダベラ」と呼ばれるらしい。

釣魚の外道として釣られることが多く外道ベスト10にも名を連ねていたりするのが悲しい。とげが有って、ぬるぬるしていて、おまけに口が異様な飛び出し方をしていたりする。骨っぽく身が少ないし、お目当ての魚の「外道」であるためか、腹立ちまぎれに岸壁に捨てられ干物になって蝿がたかったりしているのをよく目にしたものだ。「食べられない」などと書かれているインターネットページにもお目にかかる。

だが、清水でも旧市街の人たちは煮つけにして食べているようで、これがなかなか美味しいのだそうだ。釣り人のサイトでも「釣った魚は食べる派」の方のページでは、煮つけるとかなり美味いと書かれているので間違い無いだろう。また、素揚げにして骨までカリカリといただくと美味であるとか、焼いてだしをとりとろろ汁を作ると美味いなどという記述も見かける。また北陸では「ギンタ」と呼び、味噌汁などにするらしい。また俳優の多々良純さんは刺身にするのを愛したらしい。

紀州では「ネコクワズ」、浜名湖では「ネコナカセ」、伊豆では「ネコゴロシ」と異名をもち、関東で「ギチ」、関西方面では「ニョロギ(ニロギ)」と呼ばれます。(次郎長通り「魚初」さんのメールより)

で、この「ギンダベラ」という名前の由来が気になったのだが、インターネットで検索すると「ギンダベラ」より「ジンダベラ」の方が少しだけメジャーなようだ。「ジンダ」が「ヒイラギ」の見かけが見事な銀色なのと混同されて清水では「ギンダ」になったのではないかと私は思う。試しに「ジンダ」で検索すると相模湾沿岸では小鯵のことを「ジンダ」と呼ぶらしい。「ジンダ」で思い出すのが小倉名物鰯の「ジンダ煮」。「ジンダ」を広辞苑第五版で調べると以下のような記述が。

(1)ぬかみそ。五斗味噌。ささじん。
(2)麹(こうじ)と糠(ぬか)とに塩をまぜてならした食品。酢または酒を加えて用いる。じんだみそ。
(3)枝豆あるいは莢豆(さやまめ)を茹(ゆ)でて潰(つぶ)したもの。これをつけた餅をじんだ餅という。ずんだ。

とある。はてさて、疑問なのはどうして「小鯵」を「ジンダ」と呼び、小鯵に似ている「ヒイラギ」を「ジンダベラ」と呼ぶのだろう?

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