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2001/11/27
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【六義園自然観察……01
極私的・夏休み親子六義園自然観察教室……忘れかけた最終回[旅の終わり]
●●今日の寄り道→


旅に出た者の旅は、目的地に着いて必ず終わるけれど、見送ることによって始まった“残される者の旅”は永遠に終わりがないように思えることもある。
 
たとえ命を縮めても郷里で一人気ままに暮らしたいと母が東京を去って以来、全く足を踏み入れることのなかった六義園に、3ヶ月ぶりに行ってみた。
 
寝てばかりいてはかえって身体に良くないからと“夏休み親子六義園自然観察教室”などと銘打って、母を連れ出しては園内を歩いた2004年の夏は終わり、もう冬が始まろうとしている。

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今、六義園内で最も赤いのはハゼノキである。
 
母は六義園内を散歩する度に、たわわに実を付けた雌株を見上げ、秋になったらその実がどうなるかを楽しみにしていた。
 
どうなったかを見届けないことには、“残される者の旅”同様“夏休み親子六義園自然観察教室”にも終わりがないような気がして、“終わり”を確かめるために懐かしいハゼノキの場所に急ぐ。
 
ハゼノキの秋は突然に訪れ、あっと言う間に去って行くのかもしれない。

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サトウハチローが鶏の鶏冠(とさか)にたとえた赤い葉も雌株はかなり散らしたあとで、実はことごとく落ちてしまったらしく、全く枝には残っていない。
 
今週末の介護帰省に、せめて形の良い赤い葉を持って行こうと根本に屈み込んで探していたら、雨に打たれ人に踏まれて地面にめり込むように、たくさんの茶色い粒が落ちており、それがハゼノキの種らしいと気づく。
 
非常に小さい粒で、大きさのたとえを探したら、50円硬貨の穴よりちょっとだけ大きい。青々としていた頃もそうだが、蝋の材料になることも頷けるほどに油脂分の多そうな堅い実である。

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夏の日の思い出を確かめるように一粒ずつ拾っていたら、通りかかったご婦人たちが、何を拾っているのかと尋ねるので、
「ハゼノキの実が落ちてるんです」
「鳥の餌にでもするんですか?」
「いいえ、夏の間よく見上げていたので思い出に」
と答えたら妙な顔をしていた。
 
気づく人もいないほどに小さな実を落として今年のハゼノキの旅は終わり、地面に目を凝らし小さな実を拾い集めて“残される人の旅”も終わり、“夏休み親子六義園自然観察教室”も静かに閉会する。

写真上・中段:[Data:SONY Cyber-shot DSC-F707]
写真下段:[Data:KONIKA MINOLTA DiMAGE Xg]