2008/02/10
 六義園雪景色
 散歩

2002/11/24
 六義園夜間
 ライトアップ

2001/11/27
 六義園夜間
 ライトアップ

【六義園自然観察……14】
極私的・夏休み親子六義園自然観察教室……7[ハト派タカ派中間派]
●●今日の寄り道→ 【ヌケガラ】【今日のホックニー……六義園しだれ桜】


抗がん剤投与後の衝撃も和らぎ、ようやく散歩する気力も戻ったらしい母と“極私的・夏休み親子六義園自然観察教室”を再開。
 
六義園内を歩いていると今も頭上から盛んに花や実が落下し、見上げても木々の陽の当たらない裏側を見られるだけなので、どんな植物がどんな状態で花や実を茂らせ、地上に散らせているのか、その陽の当たる場所の様子を確かめられない。それが見られるのは空を飛べる鳥だけであり、どんなに激しい雨が降ろうとも雲の上はいつも快晴であることが、飛行機にでも乗らないかぎり確かめようがないことにも似ている。
 
六義園染井門から正門までの本郷通り沿いには、六義園の塀に沿って立つビル群があり、その上層階の窓辺からは木々の上部を鳥になったような視点で眺めることができる。幸いにも取引先出版社の打ち合わせで7階会議室に上ったので窓から六義園の木々を撮影させていただいた。
 
おもわず「おお〜っ」と声を上げてしまうほど樹上に実が付いている姿がよく見え、それは富士山に登って雲海を見下ろした時の感動に似ている。友人に確かめると、その実の主はミズキ(ミズキ科ミズキ属双子葉植物綱離弁花亜綱)だった。

onMouseOver

愛犬イビの散歩で近所を歩く際、母は大きなチチボーロを持ち歩き、イビのご褒美にするのを楽しみにしている。ベンチに座って「座れ、伏せ、待て」と声をかけてイビを腹這いのお預け状態にし、鼻先にチチボーロを置いて躾をするのだが、ハトやスズメがチチボーロ欲しさに近づいてきて、イビが盲目で自分たちに危害を加えないとわかると、並んで待っているように見え、たまらなく可愛いという。
 
母は可愛さに負けてハトやスズメにもチチボーロをあげてしまうのだが、母に言わせるとハトはバカで、つついて食べることしか知らないので、嘴でひたすらつつき、やっと粉々になったところを他のハトに食べられてしまうのだという。
 
「その点、スズメは頭がいいよ」
と母は言う。小片に分かれる頃合いを見計らって近づいてきて、サッとくわえて安全な場所に飛び去ってから食べるのだという。母は大勢で一つのものを奪い合うように共有するより、才覚ある個人が他者より多くを手に入れられる仕組みが好きだし、タカのように自分の欲しいものを爪で握り、鋭い視線で睨みをきかせて独り占めする方が“頭がいい”と感じる人なのである。
 
六義園内の池之端に近づくと鯉や亀が餌を求めて水面に顔を出し、人の足元にはおこぼれ目当てのハトやスズメがやってくる。
 
手すりにもたれて眺めていたら母の横にカラスがチョンと飛び乗ってとまり、母は
「何か用?お友達になりたいならここまで来てごらん」
と自分の肘の横にイビのチチボーロを一つ置いた。どうなることやらと見ていたら、カラスは両足跳びで近づいてきてチチボーロをくわえ足元に飛び降りた。

ハトやスズメが奪い合って食べるチチボーロである。
 
割って食べるのか、丸飲みにするのかと興味深く見ていたら、「誰にもやらないぞ」とでも言いたげに足で大事に掴み、首を何度もかしげて思案している。
 
そのうちに 嘴でくわえて両足跳びをして水辺に行き、小さな穴を見つけ、その中に入れ、草を嘴で千切って来ては上に掛け、なんとチチボーロを隠そうとするのである。
 
誰から何のために隠したいのかがどうにも解せない。
 
隠蔽を終えたところで、また何度も首をかしげて考え、せっかく隠したのに掘り出して嘴でくわえ、植木の根方の凹みに置き、再び草や小枝を運んでは上に掛け器用に隠蔽する。最初の隠し場所が気に入らなかったらしい。
 
再度隠蔽を終えたところで、また何度も首をかしげて考え、せっかく隠したものをまたまた掘り出して嘴でくわえ、サツキの根方の凹みに置き、再び草や小枝を運んでは上に掛け器用に隠蔽した。
 
どうやら3度目で満足したのか、その後は水辺で小石をつついたり、柱に嘴をこすりつけて身繕いしたり、「イビと同じだねえ」と母を喜ばせる方法で足を上げ器用に側頭部を掻いたりし、自分の倍もありそうな枝をくわえて放り投げてみたりと、ひとり遊びをして母を喜ばせる。
 
「スズメも頭がいいけど、カラスは別の意味で頭がいいよ」
母が頻りに感心しているので、
「お母さん、カラスはどうしてすぐに食べずにチチボーロを隠したんだろうね」
と聞いてみた。母がカラスのように何度も首をかしげてひねり出した仮説は3つである。
 
1 今はお腹が空いていないのであとで掘り出してゆっくり食べる。
2 食べ物ではなく丸くてスベスベした宝物に思えたので巣作りのデコレーションの目玉にするため隠蔽した。
3 食べた振りをして隠してしまえばバカな婆さん(母だ)がもう一つくれるかと思った。
 
母は仮説を確かめるため、本日の午後涼しくなったら六義園に、サツキの根方のチチボーロがなくなっているかどうかを確かめに行くと張り切っている。

写真大上:六義園樹海を俯瞰。
写真大下:ミズキの実。
カラス1:大事そうに掴んだ姿が可愛い若いカラスだ。
カラス2:くちばしで咥えて隠蔽場所を探す。
カラス3:水辺の杭の隙間にチチボーロを置いて見た。
カラス4:近所で器用に草をちぎってきては掛けている。
[Data:SONY Cyber-shot W1]

[チチボーロ始末記]
午後になって六義園内に入り、昨日カラスがチチボーロを隠蔽したサツキの根方を探してみたけれど、チチボーロはなかった。リスが地中に埋めて蓄えた木の実が忘れられて冬を越し春になって発芽する物語を思い出した妻が、サツキの根方に忘れられたチチボーロという顛末を楽しみにしていたが、残念ながらハズレだった。
母は、また同じカラスが現れるのではないかと期待していたらしく、手のひらにチチボーロをのせて「おいで〜」と声を上げていたがカラスは現れなかった。

藤代峠頂上に登ってみたら爽やかな風が吹き渡り、ひと組の男女が眼を閉じて座禅を組むようにじっと瞑想していた。恋人同士かと思って写真を撮ってきたが、今見直してみると女性のお尻の位置から推察するに、他人同士かもしれない。これは自然観察とは関係ないけど。

2004年 7月 25日 日曜日 4:53:25 PM



【ヌケガラ】
母が六義園内で鳴くセミの抜け殻が欲しいというので園内を目を皿のようにして探す。
「こんなにセミ穴があるからきっとあるよ。そんな木の上のほうじゃなくて、呆れるような場所にあるよ」
とアドバイスして母を励ます。

「あった」
と母が嬉しそうに笑う。

2004年 7月 25日 日曜日 10:01:30 AM
[Data:SONY Cyber-shot W1]


【今日の携帯ホックニー……六義園しだれ桜】


2004年 7月 25日 日曜日 2:18:55 PM
[Data:Panasonic P252iS 120px×120px×12]

 

     

 

 

観察日:2004年7月18日