電脳六義園通信所管理人 石原雅彦の日日抄

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三好春樹主催・生活とリハビリ研究所サイトの管理日誌です。

2006年06月22日(木曜日)の日記
■属人性について

 


民俗学の本を読んでいたら『属人器』という言葉が出てきて初めて知り、面白いなぁと思う。
 
人間が使う食器というのは大別すると『共用器』『銘々器』『属人器』の3つに分けられ、『共用器』というのは皆でつついて食べるための大皿、『銘々器』というのは個人的に取り置くための銘々皿、『属人器』というのは日本の家庭に特徴的な「私の茶碗」「私の箸」「私の湯飲み」という個人専用食器のことだという。
 
一人ひとりの人間が「私の茶碗」「私の箸」「私の湯飲み」を持ち、戦前あたりまでは「私の食事用具」一式を入れた箱膳まで持っていたという世界でも希有な民族が日本人なのである。
 
『属人器』文化を考える中で、個人所有の傾向を示す言葉として『属人性』などという言葉も出てくる。
 
広辞苑などの辞書に載っている『属人』の用法とちょっと違うようなのでインターネットで検索してみたら、会社経営に関する話しで盛んに用いられており、ひとり能力的に飛び抜けた社員に依存する属人的企業体質をあらため、個人に属する技術をマニュアル化し平準化し組織としての力を強化しようというのだ。
 
『属人器』を持つ国の『属人性』こそが面白く、それこそが世界があっと驚く日本らしい物作りをしてきた日本人の宝とも言うべき特性なのではないかと思い、面白いなぁと思ったので意外だった。『属人性』を『匿名性』のなかに平準化して生き延びようとする『属人性』を持ち得ない者達の姑息な反乱こそが、このところの日本を駄目にしてきた気もする。

【写真】大学時代の同級生であり友人の黒須和清が保育図書の装丁用に作ってくれたペーパークラフト。
撮影日: 06.6.17 1:48:37 PM
Minolta Co., Ltd.
DiMAGE 7Hi
露出時間:1/125
F値: 6.7

ネット上で見つけた丸山 智さんというプログラマの書かれた日記がとてもバランス感覚があってわが意を得たりと嬉しくなった。
 
属人的で悪いのか』と題された日記、その表題の答えは次のようにかかれている。

「さて、この表題の答は、下層プログラマを念頭におけば、属人的などとんでもない、というだろう。 トルストイのことばをもじれば、「上手なプログラマは皆一様に上手であるが、 下手なプログラマは皆それぞれに下手である」。 しかし、上手なプログラマの上手さも、本当のことをいえば、それぞれに上手なのだ。 そのような上手さの芽を伸ばしつつ、下手な芽をつみとる、そのような属人性が理想である」(丸山 智『属人的で悪いのか』より)

今から丸6年も前に書かれた日記だが、「上手さの芽を摘み取りつつ、下手な芽たちが徒党を組んで匿名性の中に生き延びようとする」ようにしか見えない「下手な芽たちの反乱」は今も続いているような気がする。

   ***

丸山 智さんのサイト【まりんきょ研究所

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