阿佐谷の灯…2

 

その店は、深夜になるほどにぎわっていた。ウナギの寝床のようなカウンターと小さなテーブル一つの店は、いつも若者たちでいっぱいだった。

みんなカウンターの狭いイスの間でエイエイ、オーオーと踊っていた。曲は1960〜70年代のグループサウンズが中心で、郷ひろみやアバもよくかかっていた。なぜこの手の店には郷ひろみやアバがよくリクエストされるのだろう?。シングル盤ですべるように何曲もかけてくれたのがY子ママだった。

Y子は肩の筋肉のガッチリした40代の男だった。

私は、その夜も、マンガ家福谷たかし(『ドクダミ荘』)と飲んでいた。(このころは福谷とよく飲んでいたな…)

「Y子の店に行こうぜ」

福谷が言うより先に席を立っていた。その日、Y子の店は客も少なく静かな感じだった。Y子はいつもは神経質そうな態度を見せるのだが、今日はニコニコ楽しそうだ。私たちとY子はR&Bやブルースの話で盛り上がった。

 

Y子は福谷のことが好きなのかもしれない。

 

上機嫌でチューハイを何杯もお替りした私たち二人はもうベロベロだ。

「もう帰ろう、帰るぞ!」

と福谷を促しドアをあけた。

 

朝日がまぶしい。

 

通勤の人たちが列をなし、駅に向かっていた。Y子は私たちを見送りに出て「マタネー」という言葉とともにいい加減に手をふった。2〜3歩歩きかけたところで、

「ネェー、ネェー」

大きな声で呼び止められた。ふりかえると、ミニスカートをたくし上げ、パンティをおろしたY子が、私たちにオシリを見せ「フリフリ」しながら、マタネー。

道行く人たちはビックリ、「朝からイヤなものを見てしまった、チクショー、どうしてくれるんだよー」てな顔をしている。

私たちの酔いもフッ飛んでしまった。

私は大声で「オー、マタナー」と答えた(ハズカシカッタ)。痛々しいくらいのサービス精神…。

 

こんな奴ほかにいるかー? 
参っちまうよ。