写真植字を始める
写研とモリサワ

石井文字

一寸の巾

活版から受け継いだもの
製版カメラ


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マイコン

デジタルになってみれば

活版から受け継いだもの

明朝(みんちょう)やゴシックなどは元もと活字の書体名でしたが、写植の登場により、細明(ほそみん)、中明(ちゅうみん)、太明(ふとみん)、特太明(とくぶとみん)などのファミリーが生まれました。 おかしなことにデジタルフォントでは細明朝はAdobeやモリサワのフォント名がSaiMinchoとなっています。
最初にローマ字に直した人が間違えたのでしょうか。太い書体に対しての細い書体なのですから「ほそ」明朝と呼ぶべきで「さい」明朝ではおかしいですよね。
(ほそ)ゴシックもサイゴシックと読ませるつもりでしょうか。絶対変です。 古い活字の見本帳には呉竹という書体が見られます。クレタケではありません。ゴチックと読みます。もともとはゴシック様式のゴシックでグーテンベルクの時代の書体を指すのだそうですが、いつの間にか太い書体ということになってしまったようです。この他、正楷(せいかい)、清朝(せいちょう)などもありました。正楷、清朝は主に名刺や葉書に使われました。清朝は活字特有の書体で、写植にも現在のフォントにもありません。なぜか「しんちょう」とは読まず「せいちょう」と呼ばれていました。正楷は楷書体です。こちらはフォントもありますね。 今ではあまり見なくなりましたが、二分空きとか四分空きなどの指定を見た方もあるでしょう。全角に対してその二分の一、四分の一という意味で、これも活版から受け継いだ組み版用語です。二分 = 半角です。 活字を組むとき、文字間や行間を調整するために、クワタとかインテルという物を使っていて、その厚みには活字の二分の一、三分の一、四分の一、八分の一がありました。ここからニブアキ、シブアキなどの言葉が生まれてきたのです。
活字では空きだけですが、写植では空きと送りを混同する人がいて困りました。 また、版下に携わっていた方は表罫、裏罫(おもてけい、うらけい)という言葉にもたびたびお目にかかりましたね。なぜ表とか裏とか言われるのか疑問に思っていた方もあるでしょう。これも活版の罫の形から発生した言葉なのです。 活版で罫線を刷るために使った物は、ちょうど菜切り包丁のように一方が刃のように(菜切り包丁は片刃ですが両刃に)なっていました。この刃の部分にインクをつけて刷るといわゆる表罫が印刷できたわけです。この金属の板の厚さは5号活字の8分の1でした。5号とは約15級、おおよそ10.5ポイントですから、大体0.4ミリほどの厚さになります。この板を上下逆さまにして刷ると、刃のない断面にインクが付くので、罫線は太くなります。それで普通の罫が「オモテ」反対にひっくり返したときが「ウラ」と呼ばれるようになったというわけです。 版下では差し替えという言葉もよく使います。共通部分の台紙の上にフィルムなどをかぶせて差し替え部分を貼り込みますね。差し替えというより貼り換えとでも言ってもよさそうですが、それでは修正の意味にもとれます。
これも活字なら「差し替え」は文字どおり差し替えるわけでそのまんまです。

 
   
 
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