写真植字を始める
写研とモリサワ

石井文字

一寸の巾

活版から受け継いだもの
製版カメラ


自動化へ

マイコン

デジタルになってみれば

製版カメラ 軽印刷にオフセット機が普及すると、当然製版用のカメラも欲しくなります。当時はデザインスコープなどの廉価なカメラはまだありませんでした。
初期に利用されたのは、エレファックスというコピー機のようにトナーを使ったカメラでしたが現在のような品質ではありませんでした。 やがて小形の廉価版の製版カメラが出始め、即席の製版やさんが出現しましたが中には写真製版の知識もなくその品質の悪さには閉口する印刷屋さんもありました。トレスコープに撮影機能が付いた簡易型カメラの原型が機材展に展示されたのはその少しあとのことでした。 写植教室では、透明印画紙を使って、密着でネガを作りそれをジンク版に焼きつけて印刷する機材が揃っていました。この方式は当時の社会党の機関誌で利用されていたそうです。透明とはいっても薄茶色の半透明の印画紙で、あまり扱い易いものではありませんでした。
写植を始めて間もない頃、クイックコピーという名のやはり密着方式のコピー機を購入しましたが、バネの圧力で押さえるだけの密着では、原稿とネガが浮いてしまいピンボケになることがあったので、密着させる圧力が大きくなるように改造して、普通の写植印画紙とリスフィルムを密着させてネガを作ってみました。結果は密着さえ上手く行けば本格的な製版カメラを凌ぐほどの品質が得られることがわかりました。この品質はそれまでの粗悪なネガに悩まされていた軽印刷業者を感激させ、写植の他にネガ撮りも依頼されるようになりました。 品質はよくても密着ではサイズの変更ができないので万能ではありません。中古専門のカメラ店で古い大判カメラ用のレンズを見つけたので、これでカメラを作ろうかと思いましたが、ピント合わせの機構や原稿台、フィルムのセット方法など作るのはかなり大変で諦めました。次に試みたのは一般の写真用引伸機です。ちょうどプロ用カメラ機材の展示会があって、そこで複写に格好の6×6判の引伸機を見つけて購入しました。イタリアのダースト社の引伸機で、レンズはドイツのローデンシュトックのロダゴンでした。ヘッドはアルミダイカストでネガをコンデンサーレンズで上から押さえる構造は複写には最適でした。ロダゴンの解像力も素晴らしくイラストやロゴなどのサイズ変更には威力を発揮しました。 やがて仕事のレベルアップにしたがってもっと大きな原稿を撮影できるカメラが必要になってきました。
写真の引き伸ばしにも兼用したいので今度はダースト社のキャビネ判の大型引伸機を改造してA3まで撮影できる縦型カメラを作りました。写真の右端の銀色の箱は露光時間調節用の自作のタイマーです。撮影%とピント位置は、ポケットコンピュータで組んだプログラムによって計算し、巻き尺とバーニアの組み合わせでレンズと台盤の位置を合わせていました。光源にはプロジェクター用の300Wのハロゲンランプを4個使っています。光源効率が良く、市販の小形製版カメラの1/10 程度の露光時間で済みました。このカメラはその後14年もの間活躍してくれました。今では使うことがなくなりましたがまだ健在です。
   
 
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