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こんにちは。お盆休みも終わりです。
鮎釣り三昧の1週間でしたが,鮎はあまり釣れず,近年にない不漁でした。
最近,これまでの釣りの仕掛けを最新の新素材釣り糸(メタル糸やハイテク糸)に変更したこともあって,慣れない仕掛けのせいか,ヘマとドジばかりでトラブルが多かったからです。
釣った鮎を次々に新しいオトリ鮎として交換し,常に元気なオトリ鮎を使うことでテンポのいい循環の釣りが可能となる鮎の友釣りにとって,トラブルはその循環を断ち切る致命的なミスになるからです。
実はこの4〜5年(1996年くらいから),鮎の友釣りには大きな革新が起こり,釣り方そのものが変わりつつあるのです。
革新の波は主に新素材の釣り糸の開発によってもたらされたもので,最新の仕掛けで使うメタル系の糸(タングステン製,チタン&ニッケル合金製などの金属糸),あるいはハイテク系の糸(ポリエチレンやポリエステルなどの有機繊維糸)は,これまでのナイロン糸やカーボン糸に比べてなんと3〜4倍もの引っ張り強度を誇る。ただし値段も3〜4倍する(ナイロン糸は50mで3000円以上だが,メタル・ハイテク糸は15mで5000円以上もする。うっへえ〜!)。
当然,そのぶん超極細の糸を使えるので,オトリ鮎に糸の抵抗による負荷をかけずにすみ,鮎の動きがより自由・自然になるという大きな利点があるんだけど,実はハイテク糸はその組成・性質上,普通には結ぶことができない,しかも瞬間接着剤も効かないという最大の難がある。いくら強くても結べなけりゃ,釣り糸として実用にならないというので,これまで敬遠されてきたんだが,その後,なんとかしてこの強い糸を使おうと,結節法にさまざまな試行錯誤と工夫がなされて,ようやく最適・最強の結び方とされる「編み込み法」が開発され普及してきた。
釣り人のあくなき欲望と探求の道は煩悶と迷妄の果てに新たな次元を開拓してきた…という歴史の教える通り,この「編み込み法」は糸結びという古来からの最も基本的な分野にまで革新をもたらしつつある。まさに必要は発明の母だね。
編み込み法についてはこれまでもハナカン(鼻環)周りの遊動式仕掛けを手作りしてきたので,基本的な結び方は知っていたが,最近,市販の「編み込み器」を買って何度か結び方の練習をするうちに,実用のめどがついたので,思い切って仕掛けを新素材糸に変えたというわけ。これまでの慣れたナイロン糸仕掛けに比べて全体的にかなり大きな変化になった。
ところが,いざ実釣で使ってみると,十分吟味して結節強度を確認したはずなのに,25cmクラスの大鮎を掛けると,ナイロン糸とハイテク糸とのジョイント部がすっぽ抜けて,せっかく掛けた大鮎をオトリ鮎ともども流してしまう(!)という悲惨な目に何度か見舞われた。
しかし,超極細ながらも糸自体が切れることはなかったので,新素材糸の強度にはあらためて驚嘆し,問題は結節部のすっぽ抜けだけなので,それを防止する結節法をいろいろと工夫する羽目になった。ナイロン糸とハイテク糸との直結法(「片編み込み」「本編み込み」「クロス編み込み」など)もやってみたうえで,結節部だけをジョイントパーツとして編み込む間接接続法を選択し,継続使用が可能で結節強度が高く伸びの少ない接続用の糸の種類をいくつも試したりした。
友釣りの仕掛けに関しては,釣り師の数だけ独自の創意工夫(それぞれの独断と偏見と盲信の産物?)があると言われるほどで,定型的なものはない。おいらも最近は自分なりに工夫したナイロン糸仕掛けでほとんど固定していたので,「ああでもあろうか,こうでもあろうか…?」と悩み,煩悶するのは久しぶりだった。でも,それ自体なかなか興味深く,老眼の目を嘆きながらも,糸結びの煩雑で根気を要する精細な作業に夢中になったが,ようやくほぼ完成という域に達した。
この新素材の糸を使っての釣法は,これまでの「泳がせ釣法」(ナイロン糸の糸ふけによる水の抵抗を利用してオトリ鮎をコントロールする釣法)に比べて,釣り味に画期的な違いがあり,はじめはかなり戸惑ったが,慣れるまで少々のトラブルがあるのは覚悟していた。
釣法の違いは一言で言えば,いわゆる「ゼロおばせ釣法」(おばせ=糸ふけのこと。糸ふけをほとんどとらない釣法)で,オトリ鮎を泳がせ,コントロールしようという釣り方である。ハイテク糸,特にメタル糸は比重がナイロン糸に比べて大きいので沈みが早く,荒瀬でも深瀬でもオトリが素早く潜り,しかも安定するので,ほとんど錘りが要らないし,伸びのない超極細糸を通して,オトリ鮎の動きが竿先から手元まで,直に鋭敏に伝わってくる。掛け針が底石をこすったり,糸が大岩に擦れたりする時のわずかな抵抗や変化も感じ取れるし,野鮎が近づいてきたらしい気配さえもオトリの泳ぎの変化でいくらか察しがつくほどだ。
野鮎が掛かった瞬間の当たりはもうまさに目くるめく衝撃だ。
ナイロン糸による「泳がせ釣法」でも,当たりとともに瞬時に走る目印の動きが鮮烈で,一瞬の間をおいて竿に伝わる手応えなどもそれなりに衝撃的なんだが,「ゼロおばせ釣法」の当たりの感触はそれとは比べ物にならないほどで,糸・竿・手に直に電撃が走る。こうまで釣り味が違うと,もう同じ鮎釣りとは思えないほどで,それは長年の鮎釣りの感触と経験を一変させてしまった。
(【化け物鮎?2】に続く)
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