饂飩店店頭帰還的釦

 

 

上喜元辛口

 

 

昨日,いただきものの山形の名酒「上喜元辛口 特別純米」の1升ビンを小脇に抱えたまま, 飲みに出かけた。
まず,1軒目はいつもの「●●●」(和風小料理)。そこでたまたま居合わせた常連の旧友2人と, 勢いにまかせて,「●●●●●●」(フランス料理)へ,さらに「●●」(アジアン居酒屋)へと3軒 ハシゴして,ふらふらよろよろ,もうろうとして家に帰り着いたときは明け方近かった。 
ふう〜ッ ……。

目が覚めて,ハッと気づいて見渡すと,なんと! 酒ビンはちゃんとテーブルの下にあるではないか。
おお,よくぞ無事でいてくれた。ヤヤッ,まだ5合近くも残ってる。 
う〜む,愛いやつよ,今宵も伽を命じる…… なんて,朝っぱらから二日酔いの戯れ言,しばし。
「まだ酔ってる」
と,したり顔の憎まれ口を残して,サイが休日出勤するのを横目に,昨夜のことを必死に思い出そうとするのだが,どうやって帰ったのかさえ定かではないのに,思い浮かぶはただ「幽霊の浜風」*のごとき頼りない空白感ばかり。

で,ようやく酔いから覚めつつある今,思い出すのはひとつだけ。
この3軒で,和風・洋風・アジア風とそれぞれ異なる料理にあわせて,最初にこの酒を1杯ずつ味見させてもらって,3人であれこれ能書きやら薀蓄をかたむけたんだが,酒にはうるさいと自負する3人が異口同音に納得した感想は次の一点だったこと。

「これは思ったよりも辛口じゃ」

ハハハ…,たったこれだけ。
しかし,この一点に至るまでには,快き男どもの快き酔いに包まれた長〜い真夏の一夜があっ たのだ。
「銘酒は朋を選ぶ」 清水からわざわざ土産として持参してくれたデザイナーの石原氏にあらためて感謝。 いつか,大兄・女史たちと,かくなる一夜を分かつべき哉。 ハイチャ。

*注:「幽霊の浜風」=「上方いろはかるた」(ゆ)の元句。幽霊が浜風に吹かれるさま,から転じて,力なく弱りきって今にも消え入りそうなありさまのたとえ。

(つづく)

 

 

 

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