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2005年10月22日 土曜日
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ヴァンスポット
妻はとてもファッションにうるさい。
僕はどちらかというと着るものはどうでもいい方の人間に近いので、妻帯してからはすべてお任せで着せ替え人形になって過ごしてきた。義父母が倒れて介護にかかりきりになって主役の座を奪われてからは着せ替え人形で居続けるのも困難になり、近所のジーンズショップやユニクロなどで適当な衣料を買ったりする。
「ねえ、安部兼章(あべけんしょう)って知ってる?」
と聞くと
「知ってる、古いよ」
と答えが返ってくる。《古いよ》というのはデザインセンスが古いという意味ではなく《年齢が行ってるよ》という意味である。
「そうかな、僕より一学年上だけど生まれた年は同じだよ」
と反論すると
「古いじゃん」
と答えが返ってきて、「(そうか、僕ももう古い人間なのか)」と我に返り自分が鶴田浩二になった気分である。
「好きなデザイナーは?」
と尋ねると田山淳朗(たやまあつろう)とか津森千里(つもりちさと)とかの名前が出るが、学年で言ったら安部兼章→津森千里→田山淳朗と1学年違い(3人とも文化服装学院)なのでありみんな《古いよ》なのが可笑しい。言ってる本人(田山淳朗と同い年)もまた古いのだ。
安部兼章というのはわが郷土の星、清水エスパルスのユニフォームをデザインした人である。


DATA:Panasonic
LUMIX DMC-FX8
清水江尻町。
10月15日の帰省時に清水銀座商店街に直交する道を歩いていたらひどく突っ張った店があるのに気づき「(あれ?昔からこんなカッコイイ店があったっけ?)」と首をかしげる。清水では珍しい《突っ張ってカッコイイ》店が脇道にあるところが《突っ張ってカッコイイ》と感じて足が止まる。
はて、店の名は何というのだろうと見回してみたが看板がなく、そういうところもまた《突っ張ってカッコイイ》と思う。だがこうやって文字にしようとすると《清水銀座商店街に直交する道にある江尻町の突っ張ってカッコイイ店》では非常に長ったらしくて都合が悪い。
ショーウィンドウや店内の装飾物に《Avon House(エーボンハウス)》と書かれているので調べてみたら東京にあるファッションブランドの名前である。
《Avon House》は全国にショップ展開しているので加盟店を調べたら静岡県には1軒だけであり、「清水江尻町2-11」とあるのでこの店だとわかり店の名は『ヴァンスポット』だった。
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日本自動車連盟(JAF)の機関誌『JAF
Mate』の11月号が届いていたのでパラパラとめくっていたら「名物―ローカルフードはご当地魂(とうちだましい)の粋な味わい」と題して日本各地の地方食が紹介されていた。一度食べてみたいと思っていた長崎の『トルコライス』や加古川の『かつめし』なども載っていてゴクッと唾を飲み込む。
面白いなぁと思ったのは佐世保の『佐世保バーガー』であり、佐世保の町には戦後米軍が駐留していたので古くから手作りハンバーガーがあるという。
日本にマクドナルドという大型ハンバーガーチェーンが上陸した頃は、マクドナルドを模した垢抜けないハンバーガー屋を見ると「(なんだよ、マクドナルドの偽物か。ダッセーなあ)」などと思ったりした。『佐世保バーガー』というものを知らなかったのでページをめくった途端一見して垢抜けないと感じつつ、「(いいなぁ、美味そうだなぁ!)」と感動しており《マクドナルドじゃない=垢抜けてない》ことが非常に魅力的になっていることに驚く。
《流行》《ファッション》《ブランド》などというものはそういうもので、かつて《垢抜けてない》と感じられたものこそが魅力的に見えるようになる巡り合わせが必ずある。
僕は《垢抜けてない》ようになった郷土に新たな魅力を感じることが多いし、今現在の世相がそういう巡り合わせの時代であるような気がする。

  
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