2005年10月21日 金曜日
近道

 

人間歳を取ったり身体が弱ってくると少しでも近道を通りたくなるのだろうか。
 
赤信号なのに道路を横断したり、横断歩道でない場所を横切ろうとする人を見ると、
「まーったくしょんないねえ。ああいう人に限って事故に遭うと文句を言うんだから」
などと憤っていたはずの母が、平気でそういうことをするようになり、若い頃から人一倍歩くことが好きだった母が
「近道を通っていこうよ」
としきりに言うようになったと感じる時期があった。
 
「(年寄り臭くなったなぁ)」と感じたし、思えばその頃から病気が進行していたのかも知れない。

久能街道側から見たショートカット
DATA:Panasonic LUMIX DMC-FX8

静岡県清水新富町、静鉄ストアのある五差路から高良眼科医院前を通って旧東海道いちろんさんのでっころぼう前の四差路に抜ける一方通行の道がある。
 
母はその道を歩くたびに四差路手前の道を左に折れ
「近道を通っていこうよ」
と言った。10,000分の1の市街地地図には載っていないが、蔵のある民家脇を抜けて久能街道に抜ける狭い道があり母は少しでも早く家に帰りたくてその小路を通りたがった。
 
小路手前の空き地でエノコログサの生い茂った草むらに入っていくので
「(あらら、そこまで近道がしたいの?)」
と呆れていたが、夏が終わって秋が来て、10月15日の帰省時に懐かしい道を歩いてみたら、母が踏み分けた道はたくさんの人が同じコースを辿るらしく、近道へのさらなる「short-cut(ショートカット)」になっていて呆れた。

高良眼科医院側から見たショートカット
DATA:Panasonic LUMIX DMC-FX8

道というのは直角な区画割りに沿って作っても許されるなら人は曲線にしたがるのかも知れないし、この地域も驚くほど年寄りと病人の多い町になってしまったので、少しでも近道したい人が多いのかも知れない。
 
パソコンにもショートカット好きとそうではない人があり、マウスに手を伸ばさずにキーボードだけで済ませたい人と、いちいちマウスでメニューを出して確認しながら操作しないと満足できない人がいる。僕は後者であり、他人から見るとまどろっこしいパソコン操作をしているように見えるらしい。
 
それでも疲れ果てるとちょろっとショートカットを使ったりし、一刻も早く作業を切り上げたい時の簡単な近道も少しは知っている。それはエノコログサを踏み分けた道に似ているかもしれない。

   ***
 
年年歳歳花相似 歳歳年年人不同
 
10月20日、午後から東京都港区赤坂の出版社で打合せを終え地下鉄赤坂見附に向かう坂道を下っていたら秋の匂いがする。
 
都市再開発で起伏の激しいこの地域では斜面と格闘しながら建設される複雑な建物が増えていく。

奥に見えるのは青山通り沿いに現れた真新しいビル。
コロムビアレコード本社ビルも改修(解体?)に入っていてこの地区も景観が激変していく。
DATA:SONY Cyber-shot DSC-F88

この坂道を上り下りするようになってもう20年近くになるが、年年歳歳坂道に香る金木犀のの香りだけは変わらない。
 
歳歳年年身近に会えない人が増えていくのと見事な対比になっている。


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僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか

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▲こいつん
▼こけえと

波止場踏切前のフシミさんが更地になり、となりの『さくら邸』の外壁が剥き出しになって気の毒だなぁと思っていたら、下のひとこと伝言板で、向かいの線路際『富士見食堂』さん跡地に移転して12月開店を目指すという未確認情報をいただいた。まずは何となく安堵。

 


 

 

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